軍艦やまと

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- 第 42 章 -

- 1 -

 ガイデル要塞―――
「迎門区画、与圧完了!」
「サーシャ様に、御乗艦願え!」
 ガイデル要塞の格納庫で、迎門式が行われた。
 少しの間を置いて、デスラー親衛隊の護衛の下サーシャが姿を現した。
「ガルマン・ガミラス帝国東部方面軍司令ガイデルです。
之より太陽系土星圏到着までの間、貴賓室でお休みください」
 ガイデルは、緊張しながら言った。
其れは、デスラーの言葉が重くのしかかっていたからである。


 土星宙域―――
「古代・・・」
「デスラー用とは何だ?」
 古代は、デスラーに聞いた。
「君に関係のある人物が居る」
 古代とデスラーは、デスラー艦のデスラー専用の部屋で会話をしていた。
「タラン、資料を・・・」
 デスラーは、タランに其の人物に関する資料を持ってくるよう言った。
「思い当たる節は無いが・・・」
「資料を見れば直ぐに判るだろう」
 其処へ資料を持ったタランが戻ってきた。
「総統、言われた人物の資料を持ってきました」
 デスラーは、タランから資料を受け取るとタランにも座るよう促した。
「古代、之が君に関係ある人物の資料だ!」
「之が、俺に関係ある人物の資料・・・」
 古代は、デスラーから受け取った資料に目を通して固まった。
「如何した? 古代!」
「真田さん、之を・・・」
 古代から資料を受け取った真田も固まった。
「そんな、サーシャが生きている筈は・・・・」
 ヤマトの波動砲で、デザリアム星諸共宇宙のチリと化しスターシアの元へかえったと想われていた。

「其のことなら私からご説明いたします」
 タランが説明を買って出た。
「我々は、マゼランウンでのゴルバとの戦闘終了後ヤマトと別れて、新たな母星を探して宇宙を流離って銀河系辺境部を探査している時、
イスカンダルの救命信号を傍受したのだ。 しかし、応答が無かったので発進地点に向かったが、信号を出していたのは暗黒星団帝国の脱出艇だったのだ。
 もしもに備えて戦闘配備をしたまま艦を待機させ、総統と私と数名の兵とで脱出艇に乗り込んだら、生命維持装置に入った瀕死の少女を発見したのだ!
其れは、治療の過程でスターシアの娘であることがわかったのだ。 治療後、デスラー艦の最深部貴賓室で療養して頂き、ボラー連邦との戦闘で
ガルマン星を解放後、デスラーズパレスの一室で治療をつづけて来た。 その後、銀河系衝突のさい真っ先に親衛隊の艦で安全空域に非難させ、
本星の安全が確認されデスラーズパレスが復旧されるとお戻りいただき療養していただいたのだ。
 ヤマトの諸君が、来ていた時、面会謝絶中だったのもあるが、事情があったので言わなかったのだ!
そして、数日前ようやく安全が確認され外出が許可されたのだ! それで、今ガイデルに連れて来させている。
 再会は、戦勝パーティーが終わるまでまってほしい。 もう少し詳しく事情を聞きたかったが、記憶を失っていたので、如何やって脱出したか聞けなかった」

 タランは、経緯を説明した。

 

- 2 -

 

 ガイデル要塞―――
「提督、総統閣下の居られる宙域まで2000宇宙キロ!」
 兵は、報告した。
「全力減速開始!」
 ガイデルは、減速を命じた。
 ガイデル要塞は、減速停止するとデスラー艦を始めとする残存艦とハッチで繋いだ。
地球艦隊も、同じように接舷した。
 接舷が完了するとデスラー艦のハッチにガイデル要塞の兵士達が整列して総統であるデスラーを迎えた。

「総統! 御命令どおり戦勝パーティーの準備整っております」 
 ガイデルは報告した。
「ガイデル!」
「はっ」
「パーティー終了後、彼女を連れてきたまえ」
「彼女をですか?」
「君は、何度も私に言わせる気か!」
「分かりました。 総手配しておきます」


「総統、地球方面より一隻の護衛艦が接近してきます。
政府代表者が搭乗しているものと思われます」
 兵士は、報告した。
「ガイデル、到着後司令室に案内したまえ。 会談を行う!」
「総統、会談は予定では3日ですが現状では1時間で、終わり調印式まで到達するものと思われます」
 タランは、言った。

 そして、数時間後、デスラーと長官、連邦首相の会談で軍事、政治の相互関係を気づくことが合意に至った。
しかし、幾つかの規制を双方とも了承した。

 其の規制というのは・・・

 
 ガルマン・ガミラスの示した地球への条件

 一・次元潜航艇の技術はヤマト以外の艦艇に持ちいらない。
 一・ガルマンの科学技術を軍事利用しない。
 一・地球の勢力圏に軍事施設(訓練用)の設置。
 etc・・・

 其れに対して、地球側が示した条件は・・・

 一・連続ワープ機関の設置制限。
 一・地球の勢力圏での軍事演習の事前通告。
 一・ガルマン・ガミラス本星に政府出張所の開設。
 etc・・・
 などが、双方が合意した内容である。

- 3 -

 

 ガイデル要塞大広間―――
 ガイデル要塞の大広間には、生き残った多くのガルマン兵や防衛軍の兵達が集まっていた。
兵達の顔に笑顔もあれば沈んでいる顔もあった。
 其処へデスラーが入ってくると一段と兵達の声は大きくなった。
「デスラー総統、バンザーイ!」
 デスラーが制すると兵達は静かになった。
「諸君、諸君達の奮戦で我々は彗星帝国との戦闘に銀河大戦に勝利することが出来た。
しかし、それには多大な代償が要った。
 だが、今は其れを忘れ地球と共に勝利を祝おう・・・
其の前に、闘いに散った戦士達の為に黙とう」
 数分の後、デスラーが合図をすると黙とうが終わった。
「それでは、勝利を祝して乾杯!」
 デスラーの乾杯の音頭と共に戦勝パーティーが始まった。
 地球とガルマンの将兵は、飲み物を酌み交わしながら勝利の余韻に大いに浸った。

 デスラーのテーブルでは、デスラー、タラン、古代、雪、真田、長官が会話をしながら飲み物を飲んだ。
「デスラー君、先ずは勝利おめでとう・・・ 其れから、多く兵たちのことお悔やみ申し上げる」
 長官が、弔辞を述べた。
「此方こそお悔やみ申し上げる」
 ガルマンに比べて地球側の被害の方が深刻だったのだ。
それでも、ガルマンの損害は多大な物だった。
「暗い話は、止めて勝利に浸ろう・・・・」
 話を遮ったのはデスラー自身だった。
 デスラーは、ガミラス幕僚らに古代達のグラスに飲み物を注ぐよう命じた。
デスラーとの会話も、進み時間が経つのも忘れていた。

 どの位か時間が経ったか分からないころデスラーが壇上に上がってパーティーの終了を告げた。
パーティーが終わると、ガルマンの兵達に何時もの緊張感が戻った。
 パーティーの終了は、任務の再会を意味していた。


 ガイデル要塞貴賓室―――
「古代、君に関係ある人物と会うがいい・・・」
 デスラーは、貴賓室前で言った。
 扉が開くと中にはサーシアがいた。

 サーシアは、音に反応して振り向いた。
「サ、サーシャか?」
 古代は、サーシャに聞いた。
「お、おじ様? おじ様なの?」
「あぁ、古代進だ! 覚えているか?」
「・・・?」
「古代、言ったと思うが彼女は以前の記憶を失っている」
「記憶が戻る可能性は有るのか?」
「無いことは、無いが・・・」

 

- 4 -

 


 ガイデル要塞貴賓室―――
「本当なのか? デスラー」
 古代はデスラーに問い詰めた。
「落ち着け! 古代!」
 暴走気味の古代を真田が諌めた。
「お前の気持ちは良く分かる。 俺も元通りのサーシャに遭いたいと思っている。
それで、其の可能性は何%ぐらいなのか? デスラー総統!」
「可能性は、半々て言うところだ! その後の治療も上手くいったが、発見が遅かったら助からなかっただろう。
我が帝国の医師の報告では『記憶障害』の可能性が高いそうだ!」
「記憶障害だって!」
「聞いたこと無いのかね? 君達の医師に聞いたことはあるかね?」

「総統、ヤマトの佐渡軍医に来て頂きました」
 タランは、報告した。

 佐渡は、入るなりサーシャの診察を始めた。


 診察を終えた佐渡が口を開いた。
「う〜ん、日常会話は出来るようじゃ・・・
之は、完全な記憶障害じゃ!」
「佐渡先生、記憶障害と言うのは如何いうものなんですか?」
「簡単に言うと意識を失うほどの強い肉体的衝撃を受けた時に起こる物なんじゃ」
「元に戻るのですか? 先生・・・」
「はっきりと言えん・・・ きっかけがあれば、戻るやもしれん」

「古代、彼女、超能力が使えたと言ったな・・・」
「其れが、どうかしたのか?」
「最近、新たな力を発現させた。 ことごとく人の心を読み取りおる。
彼女に、隠し事は出来んと言う事だ!」
「記憶が戻った時は、どうなる事か・・・」
「古代! 記憶が戻るよう看病してやるんじゃ!
お前の血縁じゃろ」
「古代、お前達は何時帰還するのか?」
 デスラーは、帰還予定を聞いた。
「明朝帰還予定だが・・・」
「そうか、寂しくなるな・・・
古代、今から私の晩餐に来てはくれぬか?
無論、サーシャも一緒に・・・ 」
「あっ、喜んで出席させてもらうよ、デスラー」

 そして、その夜、古代はデスラーと飲み明かした。

 

- 5 -

 

 ヤマト―――
「艦長、防衛軍本部より帰還命令です」
 相原は、報告した。
「古代さん、その人は・・・」
「若しかして、サーシャですか?」
「あぁっ、若しかせんでもない。 サーシャだ!」
「でも、サーシャは、あの時・・・」
「話は、後だ! 地球帰還の為、発進準備をせよ!」
 古代が、言うと乗組員達は慌しく準備をはじめた。
「斉藤、発進指揮を執れ! 俺は、サーシャを佐渡先生に預けに行ってくる」
 そう言うと、古代はサーシャを連れて第一艦橋を後にした。
「総員、発進準備! ヤマトは、地球帰還の為、発進する。 総員配置に就け!」
 斉藤は、艦長の古代に代わって指揮を執った。

「補助エンジン始動!」
「補助エンジン始動!・・・出力正常」

 機関室では、機関員が忙しそうに動いていた。
「波動エンジン始動1分前! エネルギー注入完了・・・」
「フライホイル、スーパーチャージャ接続!」
「波動エンジン始動! 点火!」

「ヤマト発進!」
 ヤマトのエンジンから勢いよく駆動炎が噴出しガイデル要塞から離れた。


 ガイデル要塞―――
「ヤマトよ、また何時の日か逢おう・・・」
 デスラーは、司令室でヤマトを見送った。
「タラン、船へ戻るぞ!」
「はっ!」


 デスラー艦―――
「全艦、発進! 目標、ガルマン・ガミラス大帝星・・・」
 デスラー艦を先頭に、ガルマン艦隊も母星へ進路をとった。


 ヤマト―――
「艦長、サーシャが生きていたことを教えてくださいよ」
 南部は、言った。
「長い話になるぞ・・・」
「前置きはいいから聞かせてください」
「真田さん、お願いします」
「サーシャは・・・」

 真田の話は、長時間に及んだ。

 

第42章END...


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